ネタばらしは、死んでもするな
あらすじ
主人公はバラエティ番組の熱意ある若手AD。
「ロケで泊まったペンションに、恐怖の祭壇が設置されていたらどうする?」
というドッキリの撮影のため、山奥のペンションにやって来る。
激しさを増す大嵐、名探偵の登場など、様々なアクシデントに遭うも撮影は順調に進む。
しかし、最後のターゲットへのドッキリで、事件は起きる。
なんと、撮影中にターゲットが豹変し、2丁拳銃で他のタレントたちを次々と殺害する。
そしてそのまま一方的な殺戮を開始した!
殺人鬼の解き放たれたペンションで、果たして主人公は生き残ることができるか?!
「つまりこういうこと…?殺人カルトの祭壇を丸パクリしたら、本物の信者が来ちゃった?」
第一話
時刻は丑三つ時。
山奥の森に静かにたたずむ山荘の、地下室にその祭壇はあった。
祭壇自体は黒の大理石でできており、その表面は荒々しい彫刻で覆われている。無数の顔、ねじ曲がった手、獣のような装飾が複雑に絡み合い、得体の知れない圧迫感を放っていた。
また、中央には鋼鉄で出来た台座があり、その上に一丁の猟銃と一本のロングソードが斜めに交差して祀られている。その銃身や刃は、まるで神聖な力が宿っているかのように淡い光を放っていた。
祭壇の周りにはたくさんの赤い蝋燭が並べられており、炎が不気味に揺れては部屋の暗影を濃くする。時間とともに血のような蝋が垂れ落ち、穢れのように床を汚した。「ククク………」
今、その祭壇を前にして、一人の男が立っている。
彼の名前は加藤剛。職業はバラエティ番組のディレクターである。
彼は祭壇を全体的に見渡すと、満足そうに笑いながらこう呟く。
「これで……全てが揃った…」加藤は決意する。
今回こそ必ず成功させる。あらゆる関係者に根回しも行った。放送時間も最高の枠を手に入れた。出演タレントも申し分ない。ここまでやって失敗したなら、もう諦めていいと思える。「スゥ……ハー…」
加藤は深呼吸し、静かに目を閉じた。
ここまで来るのに、いろんなことがあった。
彼は今までの苦労を反芻する。そしてより一層、成功への決意を強固にした。
次に目を開けた時、彼は吐き捨てるようにこう言う。
「コンプラだがなんだか知らねえ。 クソな視聴者共に、俺の傑作ドッキリを見せてやるぜ」
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