
あらすじ
殺し屋法が成立し、殺し屋という職業が普通の職業として認められ、
経済活動のひとつとなっている現代日本。
だがある日のこと。
悪徳政治家の中山により、殺し屋法の廃止決議が提出される。
中山は反対議員を非合法殺し屋で殺害し、議決寸前まで一気に押し通してしまった。
これを受けて、殺し屋協会は中山の拉致と偽装工作を計画した。
協会の殺し屋であるダイは、要請を受けて中山のアジトにやって来る。
だが、そこには中山を護衛する多くの非合法殺し屋が待ち構えていた。
また、その中にはダイの子供の頃の親友であるシュンがいて、
彼の前に立ちはだかるのだった……。
「クソ野郎を殺したいと思った時、殺す力が俺等にはあるってこと」
第一話
ダイは長い廊下を走っていた。
そこは東京郊外にある高級ホテルの廃墟。
コロッセオのような円形状の廊下で、一定の間隔で部屋がずらりと並んでいる。「ハハ!ただの殺し屋が俺に勝てる訳がねえ!」
突然、廊下に反響する非合法殺し屋の声。
姿は見えないが、近くに気配を感じる。「殺しにな、合法も非合法もねえんだよ!」
と敵はダイを執拗に挑発している。ダイは無言で廊下を走り続けた。
集中しろ、と彼は自分に言い聞かせる。
失敗は許されない。
失敗すれば、来月から「殺し屋法」は廃止。殺人は殺人罪となるのだ。
当然、殺し屋は続けられなくなるだろう。「…………」
この時、彼の頭に過ぎるのは小学生の頃、親友のシュンとした約束だった。
当時、ダイとシュンは殺し屋に憧れ、毎日2人で厳しい修行をしていた。
様々な殺人技を編み出し、武器を開発し、何度も模擬戦を行った。最終的に卒業を待たずにシュンは別の小学校に転校してしまうのだが、
彼が引っ越しする当日、ダイはシュンに向かってこう尋ねた。
「シュンくん。大人になったらさ、一緒に人殺そ?」彼とはそれきり一度も会っていない。どこで何をしているのかもわからない。
だからあの約束も果たさないまま、殺し屋をやめるわけにはいかない!するとその時だった。
バン!と近くの扉が勢いよく開き、非合法殺し屋が襲いかかってきた!
「死ねええええ!」ダイに向かって繰り出されるナイフ!
しかしダイは、その突先が触れるよりも早く手を伸ばし、相手の顔面をズム、と掴んだ。
「甘い」
と言って、彼はそのまま相手を真上に投げ飛ばす。廊下の天井に大の字で叩きつけられた非合法殺し屋。
だがそれだけではない!
ダイは背中の殺人トンファーを取り出すと、すでに殺し屋めがけてジャンプしていた。トンファーは相手の腹を突き破り、断末魔とともに血と臓物が水風船みたいに弾け飛ぶ。
地面に着地して、残心するダイ。降り注ぐ血肉を黒スーツに浴びながら、
「やっぱり殺しは合法じゃなきゃな」
と彼は言った。
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